「少しでも多く利益を得たい、なるべく損失は出したくない。」
こうした感情はトレードをしている人間なら誰しも抱くものです。
「できるだけ下から買ってできるだけ天井で売りたい。」
しかしながら、トレードをしていると天底でのエントリーや決済というのは非常に難しいということを思い知らされます。
天底を狙おうとすると実は天底ではなくレートがさらに伸びていくということは頻繁に起こり得ることです。
天底だと誤解しエントリーや決済をしてしまうと、思いのほか損失を出したり、利益が伸びなかったりといった損大利小なトレードとなってしまいます。
これについて、至高のFXトレーダーである賢人のデイトレードさん(M.HASEGAWAさん)は以下のようにおっしゃっています。
「相場格言に「頭と尻尾はくれてやれ」とあるように、天底を何とか捉えようとしてしまうと、リスクの高い無駄なトレードで損失を出してしまったり、結果的に利を伸ばせないことにも繋がります。味のない頭と尻尾は食べる必要はなく、美味しい中身だけをしっかりいただきます。
(2016年10月16日M.HASEGAWAツイートより引用。)」
天底を勝手に予想し、チャートの優位性に関係なく、自己本位なエントリーと決済を繰り返してしまうようでは、勝ち続けるトレーダーにはなれません。
しっかりとチャートの優位性の高い局面でエントリーし、優位性が失われるポイントでは適切に手仕舞いをしなければなりません。
天底から入って大きく利益を得てやろうという欲求は捨てねばなりません。
例えば、以下の画像はUSDJPYの日足チャート ですが、これをみてみます。
レートは右肩上がりで上昇してますが、赤◯を天井だと判断して売りを入れたらどうなるでしょうか。
ご存知だとは思いますが、赤◯の時点(2022年4月)では1ドル=120円前半でしたが、半年も経たない2022年9月には1ドル=150円目前まで円安が進みました。
つまり、赤◯で売ってポジションを保有し続けていたら大損していたということです。
「これだけ上がったらそろそろ天井だろう」などという自身の勝手な思い込みに基づいてポジションを取るのではなく、チャートから発せられるサインに基づいてトレードしなければなりません。
ではそのサインとは一体何でしょうか。
そのサインこそダウ理論に基づくトレンド転換です。
下の図は黒がレートを赤が移動平均線を表しています。
レートは移動平均線に支えられるようにWボトムを形成し、直近高値を上抜けたことで上昇トレンド転換が確定します。
上昇トレンドへ転換するということは買いへの優位性が高くなりますから、エントリーするなら上昇トレンド転換するポイントになります。
逆に言うと、トレンド転換するまではエントリーすべきではないということです。
つまり、上の画像の「尻尾」の部分はエントリーすべきでないポイントです。
「尻尾」まで美味しく食べることができたら嬉しいですが、「尻尾」は身が無いことがほとんどなのです。
また、上の図ではレートが上昇した後は移動平均線に抑えられるようにWトップを形成し、直近安値を割っていますので、直近安値割れでは必ず決済をしなければなりません。
なぜなら、この安値割れポイントはエントリーの根拠であった上昇トレンドが崩れ下降トレンドに転換するポイントだからです。
しかしながら、上の図の「頭」の部分で「もうそろそろ天井だろう」というような自分本位な決済をしてはなりません。
なぜなら、レートはまだ上昇トレンドであり、さらに上を目指す可能性があるため、チャートに従わずに決済してしまうと下手に利益を減らすことにつながります。
明確に上昇の根拠が崩れるのは直近安値を割ったポイントであり、決済はそのポイントでしなければなりません。
このようにトレンドフォロー戦略においては、うま味のある中身だけきっちり食べきるということが非常に重要です。
トレンドの始まりから適切にエントリーし、どこまで続くのかわからないトレンドの終わりを勝手に予想するのではなく、チャートから根拠を見出しそれに適切に従うことで利益を最大化できるのです。
また、負けているトレーダーは自分勝手に逆張りを狙ったり、優位性の低い局面で感情的にトレードしてしまうなど、負わなくてもいいリスクを背負いこんで損失を拡大してしまうことが多々あります。
これではせっかく勝てる技術を身に着けたとしても意味がありません。
事象の全てはチャートに織り込まれますので、自身の勝手な予想や思い込みは捨てなければなりません。
にゃ~は尻尾も頭も好きだにゃ~